第百二十三話:限界突破最終章

今まで数々の限界突破クエが、レベルクアップ解除の度に行われてきた。

最初の課題は、地獄のアイテム集め、2回目の課題は、巨大アライアンスでの強敵撃破、3回目は各獣人の王様宅訪問&オミヤゲ持ち帰り、4回目はヴァナディール・あの人は今!突撃インタビュー紀行、そして今回「最終章」と公式から発表されている限界突破クエストが実装された。

その内容は、まず、世界各地の自分のジョブと同じジョブの敵から、「偉大なる○○(ジョブ)の証」を取って来い、とのこと。最初は敵からのドロップともわからず、AFクエをくれるNPCへの聞き込みをしまくったり、色々な試行錯誤がなされていたけど、最終的に敵からのドロップということがわかった。

ドロップ率は、欲しい証は全然出ず、いらない証は出まくり、というマーフィーの法則に従ったお約束の出方だった。チョロはみんなで取りに行って、無事に手に入れる事ができた。そしてその証を再び限界じーさんの所へ持っていくと・・・・

以前から、「最後はMaatとタイマンか?」と冗談で囁かれていたこの限界クエ。本当にじーさんと対決するという事態になってしまった。

過去のミッションに出てきたウォルフガング隊長が敬語を使ってMaatとしゃべっている。この人、エライ人だったのか・・・・。と思いつつ、その日はもう時間もなかったので、今度やろうとおもって引き下がった。

次の日はログインしなかったので、そのあくる日にログインしてみると、みんな結構証を手に入れている様子。LBJでは白魔道士Assamがいち早く勝利をもぎとった様子である。

チョロはまだ69なので、70になって魔法スキルが青くなってから行こう、と思っていた。そしてレベルあげに誘われて、空の壷を狩っていたら・・・・出るわ出るわ・・・偉大な赤魔道士の証が、掃いて捨てるほどでる。これはどういう事だ?みんなで取りに行ったときも、これほどは出なかったのに・・・。まさに前述の、「いらない物はすぐに出る」というオカルトパターンに見事にハマった感じのドロップ率だった。

そしてレベルあげから帰ってヒマになったチョロは思った。

これ、70になってさらにカンストするまでに、証を手に入れる機会は山ほどあるだろうな・・・。

証をロストするのがもったいなくて、70まで待つつもりだったけど、あんなにボロボロでるなら、ちょっと1回チャレンジしてみようかしら、という遊び心が頭をもたげた。すでにチャレンジ経験のあるTubasaの話を聞いてると、リレイズ護符でBC内でリベンジ可能みたいなので、庭のナルっちからリレイズ護符を頂いて、いざ、限界ジーサンのところへいった。

行く事にしたのは遊び心からだけど、どうせ行くなら全力で行く!装備、どうしようかな〜と悩んだ。前情報で知ってしまったのだけど、サポートジョブはなくなるらしい。そして相手も自分と同じジョブになるらしい。純粋に黒として戦うとしたら、バインドとスリプルは勝利のカギとなる魔法になるに違いない。と言う事で、やっぱり弱体魔法スキルのあがるAFを最初は着ていく事にした。

頭:AF
首:精霊トルク
耳:ドッヂ+モルダバ
手:AF
胴:AF(ブラクロに後から着替え予定)
脚:AF
足:AF
指:ジルコン×2
武器:神代の楊(漢字あってるか・・?)
盾:フェアリー
投擲:ファントムタスラム

アクセサリーは防御のあがるものやHPの増えるものがいいかな、とも思ったけど、黒なのだから、敵に接近されて殴られたら終わりだろう、と思い、とにかく距離をとって戦う事に決めたので、ジワジワ粘る事は諦め、短期決戦に賭けた。そして、リレイズ護符とメロンパイを握り締めてMaatに証を突きつけた。

昨今ないほど緊張して、BCに突入。サポートジョブがはがされる。サポなしソロで戦うなんていつ以来だろうか。テンパるだろうな・・・と思ったけど、でも、自分はカンストまでまだまだなんだから、という気楽さが、いつもよりチョロを落ち着かせていた。

リレイズ護符を使い。パイをむさぼり食べて、追加効果の麻痺に一縷の望みをかけてアイススパイクを唱え、魔法欄に「もっと強化魔法ないかな・・」と未練たらしく探したけど、当然全く見当たらず、いざMaatへと走っていった。

いたいた・・・いたけど、まず距離を取らなくては・・・。

チョロは、レベル69だけど、金銭的な問題と、ドロップの悪さで、ウォタガV、エアロガV、ファイガVは持っていない。ウォータWはみんなの協力のもと手に入ったけど、まだ覚えれるレベルじゃない。ということで・・・・

最初に使う魔法は、自分の持っている最高の古代魔法、フレア、と決めていた。最長射程でフレアを撃つために、少しずつ進みながら、フレアが発動できる距離を待った。

そして戦いは始まった。

Choroのフレアが発動。Maatに325のダメージ(レジられとる・・・)
MaatはバイオVを唱えた。

そしてMaatはなにやら言いながらこっちへ突進してきた。
Maatの攻撃→Choroに117のダメージ。
Choroの反逆効果→Maatに2のダメージ(追加効果麻痺ならず)

距離を取りたいのに、Maatの足がめちゃくちゃ早く、もう目の前にいて殴られている。こりゃいかん・・・と、思ったら・・・

MaatはブリザガVを唱えた。

うへぇ・・・一撃死魔法きたぁあああぁああ・・・

Choroの精霊の印
ChoroはスリプルUを唱えた。
Maatは睡眠の状態になった。

なんとかブリザガVを止めて、寝ている間に距離を取った。
ここで、フレアの残留効果狙いでウォータVを撃とうと思っていたのに、間違ってフラッドを唱えてしまった。詠唱時間がとても長く感じられる。起きないでよ・・・Maat・・

Choroのフラッドが発動。Maatに312のダメージ(またレジられてる・・・)

そしてMaatは当然睡眠から目覚めた。もう一度寝かせるか?!と思っていたら

Maatはバインドを唱えた。Choroはバインドの状態になった。

イレースが使えない今、これはいかん。一度殴られるしかない、と思いしばし待つ。Maatがダッシュで近づいてくる。

Maatの攻撃。Choroに107のダメージ。
Choroの反逆効果→Maatに6のダメージ

アイスパの麻痺は相変わらず効かないけど、これでバインドがとけた。

でも、Maatは目の前、なにを唱えても中断確定。しか〜〜〜しっ!今回のバージョンアップで魔力の泉効果中は詠唱中断がなくなったのだっ!!!そして、中断どうこうよりも、すでにMPが100ちょいしかない!

今しかない!!

Choroの魔力の泉!
そして、かなり時間はたってしまっているけど、残留しているかもしれないかすかな望みにかけて・・

ChrooはサンダーVを唱えた。Maatに333のダメージ(またレジかよ!でも333ってフィーバー、いいことあるかも?)

Maatはバーンを唱えた、Choroはバーンの効果。(きつい魔法が来ると思っていたので、これはラッキーと感じた)

Maatの攻撃→Choroに143のダメージ。
Choroの反逆効果→Maatに6のダメージ(・・・・麻痺は・・略)

もうゴリ押ししかない、泉の効果中になんとか与えるだけ与えないと・・・

ChoroはファイアVを唱えた。Maatに284のダメージ。
Maatはフラッドを唱えた。

チョロがファイアVを唱えるのと、Maatがフラッドを唱え始めるのはほぼ同時だった。

でもファイアVのほうが断然詠唱が早い。唱え終わったチョロは詠唱中のMaatからすぐに距離をとった。スタンを唱えようか・・・イヤでも、フラッドが止まっても、MPもないし泉もあとわずか、そしてチョロのHPは既に2桁・・・。そしてチョロは賭けに出た。

ChoroはスリプルUを唱えた。(印はなかった。曜日も覚えていない)
Maatは睡眠の状態になった。

やった!!寝た!フラッドもこれで止まったし、MaatのHPはあと5分の1くらい!でも、チョロのHPはあと45しかなかった。しかも、そのHPもバーンとバイオVでじわじわ削られていっていた。

泉がまだある。でももう切れるだろう。古代間に合うか?詠唱中に泉が切れたら、その魔法は中断されちゃうの?てか、黒のくせにこんな事も今まで知らなかったのか・・・チョロ。今度調べておかないと・・・

一気に色んな事が頭を駆け巡ったけど、迷っているヒマはなかった。

Choroはフレアを唱えた。

泉が切れて中断されたなら、残っているMPで撃てる最強のものを打ち直そう。スリプルUがレジられていなければ、90秒の猶予があるはず。

フレアの詠唱時間がとても長く感じられた。(イヤ、実際長いけど)

Choroのフレアが発動→Maatに639のダメージ(今までで一番多い!これがレジられていないフレアなのかな?)

そしてフレアの発動と同時に、MaatのHPバーはなくなった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!

えっ・・?えぇぇええぇええぇええぇ?!かかかかかっかか、勝てたぁぁっぁあぁあああ!!!

Maatがなにやら言って、チョロはデジョン護符をもらってBCから追い出された。しかし・・・・

チョロのHP、25。しかもバイオで減り続けている・・・・やばいっ!イレース!

Choroはイレースを詠唱できない。

なにいいいいい。サポはまだはずれてるのかよー!やばいばい・・・もうHP15・・・・

もらったデジョン護符使うっっ!!ヽ(´Д `;)ノ

Choroは呪札デジョンを使用した。

永遠のように長く感じられる使用時間。とよく見たらMP100あるやん・・・デジョンすればよかったああああ。

焦っている間に港モグ前到着。HP8。ケアルッ!!ケアルゥウ!!!

ChoroはケアルVを詠唱できない。

ぇぇぇっぇええええ?まだぁ?

テンパりまくっていると、横で見ていたポロに言われた。

P「モグ入れば?」

ぉぉぅ・・・・・・・・・・・・・・・せやな・・・・

急いでモグハウスにはいって、一命を取り留めたチョロ。しかし、いつまでサポの制限かかってるんだろう・・・・・危なかったぁ・・・

よし、Maatに会いに行こう。とモグハウスから出て走り出したチョロは無意識のうちに、いつも街で走る時に押すとんずらマクロを押した。

すると・・・・・・・・・・・・・・・・・

ズッパ〜〜〜〜ン!Choroのとんずらが発動。シュタタタタッタ・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サポシッ!!!!??

そういえば、レベルあげが終わって、宅配とモグをウロウロしてたとき、サポシにしたんだった・・。そりゃ、イレースもケアルも詠唱できないわけだわ!!!後で過去ログを見直してみたら、BCをでた瞬間にサポは復活していた。オマケに、ブラクロに着替えるのをすっかり忘れていて、ずっとAFのまま戦っていた。

こんなわけで、チョロはMaatに勝つことができた。ジョブによって、結構難易度が違うらしいこのクエ。黒と赤はキツいらしいけど、黒は運の要素が強い、とMurayoshiさんに事前に言われていた。だとすると、チョロはかなり運がよかったのかなぁ?

クリアタイムは3分46秒だった。めちゃくちゃドキドキして心臓は早鐘を打っていたけど、チョロの普段のテンパり具合から比較すると、中々落ち着いた行動ができたんじゃないかな〜と思う。横で見ていたポロも「熱い戦いだったなー!」と興奮してくれた。負けてもいいも〜〜んと思って、気楽に挑めたのが、落ちつけたのにつながって勝利を導いたのかな?

一撃死亡のガV系と古代は、確実に止めれたのが、自分なりにウレシかった。でも、最後のフレアがレレジられていたら、絶対に負けていただろうし、2回目のスリプルが効いていなかったら、その場で死んでいたと思う。やっぱり、防御でなく、スキルとINTアップの装備にしていってよかった!

この限界クエは、純粋に「Maatを倒す」というクリア方法と、ジョブによって異なる勝利条件による勝利と二通りあるらしい。確かに白や詩人などの、PTを強化し、守るジョブに、攻撃型ジョブと同じ要領で倒しなさい、というのは酷である。相手も同じジョブになるとはいえ、Maatはどうやらサポートジョブがモンクらしく、格闘のWSを繰り出してくるらしいのだ。チョロは黒なので、距離を取る戦い方をしたし、攻撃も魔法のみ、なので相手はWSを使ってこなかったけど、詩人や白は殴らないわけにはいかないだろうし、それで強烈なWSをくらったらひとたまりもないだろう。そして、勝利条件とは反対の、負け確定条件というのもあるらしく、それを満たしてしまうと、夢想なんたら、という長い名前のWSをこっちが死ぬまで連打してくるらしいのである。なんとも恐ろしいじいさんである。

シーフは殴り倒しても、勝ち、でも盗むが成功しても、その場で勝ち、という特殊条件が早くに判明していたけど、その他のジョブはまだ全然条件がわかっておらず、LBJの物理攻撃ジョブのみんなはとても苦労していた。物理攻撃で蓄積ダメージタイプのジョブは、普段、回復を貰いながら戦うのに、そうでないガチンコ勝負で薬品代が大分つらそうだった。赤魔道士等の、もともとのジョブのデザインで色々できるジョブは、もちろんMaatも色々できるわけで、こっちはサポなし、相手はサポモ、という不利な条件下で、「勝てる気がしない・・・」と嘆いていた。

チョロは普段、赤タルBibbyのソロ能力と強気の姿勢に、同じタルとして、いつも憧れをいだいていたのだけれど、そのBibbyが随分弱気になっているので、「ビビーがそんなに弱気になるなんて・・・相当手ごたえないんだねぇ・・」と聞いてみた。すると、ガックリうなだれながらこんな事を言っていた。

B「丁度の敵なんて雑魚すぎる。」
B「でも勝てる気がしない・・・・それくらいジジィがキツい・・・・」

高レベルになると、ジョブによっては「練習相手にもならない」がリンクしただけで死んでしまうジョブもある。そんな世界で「丁度は雑魚」と言ってしまえるのがチョロの大好きないつものビビーの姿である。そんなビビーのグッタリした姿をみて、ちょっとチョロは驚いた。

よく考えたら、チョロはヴァナディールの中でも特殊な「後方からの魔法攻撃」とういジョブである。なによりもイヤなこと、それは「相手と近づいて戦う」事である。相手も同じジョブになるこのクエ。Maatも近づくのはイヤ、というか物理攻撃もしてきて、しかも結構痛いけど、魔法攻撃もしてくる。だから、距離を置いて戦う事が可能だった。攻撃の種類も「魔法」というレジが大きく関係する不安定なジョブである。だからMaat戦も、「自分の魔法がレジるかどうか」とか「相手がどんな魔法を使うのか」という運に頼る部分が多く、チョロの時は、開幕がバイオVだったり、途中のピンチにバーンを使ってくれたり、とラッキーな事が多かった。

ある意味で、一番ジョブらしく戦えるクエストなのかもしれないけど、ジョブによる難易度の差、というか「運」で勝ってしまえるジョブとそうでないジョブの差が結構あるな、と感じた。LBJでも、何度も証を取りに行っては何度も負けて嘆いているメンバーもいた。「終わってみれば、キツかったけど楽しかった」と思えるようなMaatとの戦いをみんな出来たらいいなぁ、と思った。

「ヴァナディールのスター」というイマイチ納得できない称号をもらって、今日のチョロ・ログアウト。

興奮していてSSが一枚もなし・・・・(´・ω・`)




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