第百二十話:新NMはどこだ?!

バージョンアップがあった。そしてそのバージョンアップで、新しいNMがたくさん追加された、との事。比較的楽に倒せるNMからとんでもない強さのHNMまで、たくさんの種類が追加された、という事だった。

その日のLSメッセはこうだった。

Tokiwa・新NM、ぶったおしにいこうぜーーーー!!!

今までHNMと呼ばれていたNM達も、種類が増えて、HNMLSと呼ばれるLSでなくとも、人気のないものなら狩れるようになっていた。強敵と戦うのは楽しいし、週末にでも、みんなで人気のないHNMを狙って、強敵との戦いに慣れていこうか、という話もでていた。

そして、その日は、ミッションツアーを終わらせたTokiwaが監獄のDS兄弟のNMがいたら狩ろうではないか、と監獄に出かけていったことから始まった。

まず、監獄DS兄弟は、すでに狩られていていなかった。「いないーー・・」と気を落として帰り道についていたTokiwaが、突然「うお・・・・・・・・・・」とつぶやいた。

T「NMだ。でも名前同じ・・・」

名前を忘れたが、タコヤキ型の敵がむらがる監獄地下水路で、同じ名前のくせに色が違うものがいて、調べたら「計り知れない」と出ている、というのだ。

そこでヒマレンジャー召集。同じミッションツアーに参加していたメンツはサンドにいたので、そのまま参加。海蛇でミスリルを盗んでいたObsidianとログインしてきたNaruもかけつけ、羊BCに行っていたメンバーも帰ってきて、思いがけないほどのアライアンスが出来上がった。

そして現場へ。よく色が違う事に気づいたねぇ・・・というくらい薄暗い。その中に確かにいた。青いタコヤキが。

まわりにもウジャウジャタコヤキがいるので、掃除をしてからいざNM戦!いくぞーー!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よわっ!!!!!

あきれるほど弱く、あっという間に死んでしまった。そしてそいつが落としたのは

血玉の指輪、というHPがたくさん増える指輪と、ピジョンなんたら、という宝石だった。

指輪は、なかなかの高性能だな、と思った。ピジョンなんとか、の価値はわからないけど、両方はじめてみるアイテムだったので、みんな結構盛り上がった。

装備したい人だけロットして、Tokiwaが指輪を勝ち取り、宝石はNaruが勝ち取った。

あまりにも簡単に倒せてしまったので、みんな物足りない感じだった。そして、別の情報で、イフ釜にラプトルタイプのNMがいて、そいつがとっても素敵な見た目の装備を落とすらしい、という情報をObsidianがゲットして、イフ釜へ行こうではないか!ということになった。

イフ釜・・・・・・・・・・・・・いつも行って、まともに帰ったことのない場所。しかもバージョンアップで敵の配置に変化がある、と告知されている場所でもあった。オイルや粉を十分に準備し、チョロは深読みしすぎて、こっそりデオドライザーまで鞄にいれて、イフ釜へ出発した。

メインは召喚士のKujyaが今日は白で参加してくれて、テレポを往復し、イフ釜へ向かった。先に行っていたチームの中にいたPorojrが、なぜかボムと戦闘開始し、いきなり死亡。その救出スタートという、なんともイヤな予感がするツアー開始だった。

マップを持っているTokiwaが先行し、道を言ってくれていたのだけど、Porojrの死亡地点と、マップの入り口が微妙にズレていた為、みんながプチ迷子に。ボムにからまれ、自爆でまず手始めに3名死亡。う〜む、いつもかわらぬイフ釜の風景、である。

なんとか道を戻り、全員合流。うわさのNMはラプトルタイプとのことなので、今までにラプトルを見たことのある広場へみんなで向かった。

と、そこで気づいたこと。イフ釜の敵の配置変更、それは楽な方への変更だった、という事がわかった。魔法反応のボムがウジャウジャいて、薬なしでは歩けなかったイフ釜だったのに、ボムの数が激減している。洞窟内でも余裕で魔法のかけ直しができるほどのぬるさになっていた。とりあえず、デオドライザーは確実に邪魔なだけの荷物になったな・・・と思いながら、進んでいった。

問題の広場について、Obsidianが広域スキャンで、珍しい名前の敵はいないか探る。なんとなく安全っぽいつきあたりに、全員で集まって、広域の結果を待っていたら、

O「[広域] Hurricane Wyvern [広域]」

O「[広域] Vouivre [広域]」

Obsidianが2種類の名前を発見した。

ハリケーンワイバーン、強そう・・・・そして2個目はなんて読むの・・・?

そして、今いる場所からすぐの所にそいつはいるらしい。でも段差があって、そっちには直接いけない造りになっている。マップ所持者のTokiwaとマップはないくせに、なぜか道が頭に入っているNaruが現地へ向かった。

現地に着いた二人の報告によると、ハリケーンワイバーンはウジャウジャいる、という事だった。ワールドリポートを見てみると、イフ釜のモンスターリストに載っていた。レベル73〜79のアクティブモンスターだ。

となると、Vouivreの方はどうなの・・・・・?と聞くと、紛れもなく計り知れないNMで、見た目はワイバーン、という事だった。

当初の目的のラプトルのNMではないけど、もちろんやるしか!!っていうか、ワイバーンタイプのNMで、場所はイフ釜、強そう・・・・・

でも、みんな監獄のタコヤキに楽に勝てた後だけに、イケイケだった。細い通路の後に段差があり、その下にみんながいる。召喚釣りでないとリンクしそうなので、KujyaさんがTokiwaに連れられて現地へ向かい、そのNMを段差の下まで連れてくることになった。

まだバージョンアップから二日。こいつって新しく追加されたHNMじゃないの・・・・・?なんていう会話をしながら、みんな恐怖心を横へ置いて、本気で勝つ気だった。

戦いの場所に選んだ溶岩地帯に沸くボムとラプトルでTPを貯めて、いざ!

K「いくよ〜〜?」

Kujyaさんの掛け声と共に、カー君がNMに突撃した。細い道をドスドス・・・と竜が歩いて・・・・その前にはカー君が・・・・・・・・・・・もう、い・・な・・・い・・・・・

と、そこでカー君の飼い主であるKujyaさんが竜からの攻撃を受け、たった2発で昇天。つええええええええヽ(´Д `;)ノしかしKujyaさんはリレイズがかかっていたらしく、即起き上がり戦闘に参加。

誰かの挑発が繰り出し、戦闘開始!

あ・・あ・・・あ・・・当たらない・・・・・・・・・・・・・・・・・(´・ω・`)

こっちの攻撃はスカスカで、当たらない。不意ダマでなんとか300台のダメージを与えるものの、攻撃が当たっていない為、回復している魔道士にすぐにタゲが行ってしまう。

盾役をしていたのはBaphomet(忍者)だった。攻撃は当たらないものの、空蝉のおかげで、相手の攻撃も回避していたので、最初は「ん?なんや、だれもHP減らないじゃん」とか思っていた。

しかし、ただでさえ当たらないところへ、回避アップのアビまで使ってくる有様。

そして一瞬のスキをつかれて、魔道士にタゲた行った所へWSが飛んだりして、ドンドン死んでいく。というか、戦い始めた瞬間に全員が感じ取った事。

「こいつは間違いなくHNMだ・・・」

恐ろしい固さ・・・。恐ろしい回避率、そして、やっと減らした1mmのHPも、いつの間にか戻っている。ってことは・・・・・・・・・・オートリジェネついてる!ヽ(´Д `;)ノ

Vouivreのドレッドシュリーク

Aoyは麻痺の状態になった。

・ 

以下いっぱい・・・

範囲麻痺のログがすごい速さで流れた。慌ててパラナを連打し、必死で回復していたチョロに、竜が突進してきた。

Vouivreのファングラッシュ →Choroに756のダメージ。

ChoroはVouivreに倒された・・・・・。

訳がわからないうちに、チョロは立っていた場所とは全然違う場所に吹っ飛ばされて死んでいた。

死体のままなすすべもなく見ていたチョロの目の前では、もう大惨事というか、死ぬために戦っている楽しそうなメンバーの姿があった。

Vouivreのデッドリードライヴ→Uluzに740のダメージ。

なんせWSがでるたびに、誰かが死んでいく。

というか、戦い始めた瞬間に、全滅する事はわかっていた。勝てない事もこいつがHNMであることも。でも、どんな敵なのか、どこまで削れるのか、みんなワクワクしていて、全滅が決定しているにもかかわらず、だれも「エスケしよう!」とか言わなかった・・・・。

そして最後の一人となったNaruは、「オマエ絶対SS撮ってるやろ!」というほどの無抵抗で撲殺された。

全滅した一同はみんな興奮して今の戦闘について語り合った。LBJを倒したVouivreは、段差の方へ向かって歩いていった。

「まさか、段差登れなくて、ここに居座る、とかないやろな・・・」
「おまえ羽根あるやろがーー!」

と誰かが言ったとき、Vouivreは、ピョコっと跳ねて段差を登り、定位置に向かって帰っていった。ちょっとカワイかった。

死ぬ寸前にリレイズUをかけて死んだ、ナイスなKujyaが起き上がり、全員にレイズUをかける大仕事を果たしてくれた。

「この敵はなにを出すんだろうねぇ」
「いつか勝ちたいねぇ!」
「しばらくしたらHNMLSの物になっちゃうよ」
「エーーー」
「ヤダーー」
「ってか経験もないのに、いきなり挑みすぎ・・w」
「まずはモン・チェリーから練習しようよ」
「別のもやりたい!」

興奮した会話が続いて、全員無事に起こしてもらい、イフ釜特攻隊は、やはり全滅で終了した。TokiwaのLSメッセ通りに新エリアのNMに「ぶったおされて」幕を閉じた。

しかし、今回のバージョンアップは、オシャレ装備や、たくさんのNM、クエの追加。そしてなんといってもチョロにとって一番うれしかったのは、調理HQの多数追加。楽しい事ばかりである。

NMも本当に数が増えて、強いHNMLSだけが独り占め、とかいうこともなく、色んな人が偶然出会い、倒せる、という感じですごく楽しい。まぁ、いいものを落とすNMは、簡単には狩れないだろうけど、今回のパッチはとても楽しい要素が多くて、すごくよかったな、と思った。

しばらくは色んな場所で大冒険が出来そうだ、と思い、ほくそえみながら今日のチョロ・ログアウト。




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