第七十五話:転生ガルカ!!

待ちに待ったPC版FF11の発売である。当日の早朝、コンビニでいち早くPC版を手に入れた我が家は早速インストールして、ポロ2号を出産した。

本当は育てたキャラで一緒にやりたかった。二人共40台にまで育っている。半年以上かけて育てたキャラである。思いでもたっぷり、辛い時代もあったり、合成を頑張ったり、貧乏一直線だった時もあった。そんなキャラを使えないというのは、本当に残念。今思えば、最初にPS2版FF11を2つ買って、アカウントを2つ取得していればよかったんだけれど、当時はそんなこと、全くわからなかったし、普通に、「PC版がでたら二人で一緒に遊べる」と思い込んでいた。

同一アカウントからのキャラ移動が出来ない、と分った時は、本当にさめて、ゲームを辞めようか、とさえ思った。でも、知り合った仲間達にに励まされて、思いとどまったのだった。

ポロ、チョロ、どちらが生まれ変わっても良かったのだけれど、ポロが生まれ変わる事となった。ゲームが苦手なチョロへの配慮からである。(1からやり直すとなると、人との触れ合い以外のゲームとしての部分をかなりやり直さなくてはいけない為、ポロが気を使ってくれた)

名前は最初、「Polo」にしようと思っていた。読み方も同じだし「ポロさん」と呼んでもらえるからである。しかし、「Polo」という名前は登録できなかった。誰かが使っているからではなく、登録商標に使われている名前だから、である。「Polo」という名前のブランドがあるから、使えないのである。

がっかりして、さんざん悩んだあげく、「Porojr」という名前にした。これなら、誰が見ても、ポロが生まれ変わった事が1発でわかるだろうな、という考えである。

幸い、この名前は使われていなくて(当たり前か?!)ログインする事が出来た。初のチョロ、ポロの対面である。

今回はウィンダスを出身国としたので、ウィンダスで待ち合わせ。チョロはシーフに生まれ変わって、ポロと共に育てる事にした。

港区のショッピングセンターで買い物をし、チョロは初の飛び道具、弓を装備して、ご満悦。元祖ポロが大量に作っていた、木の矢を持って、いざ、出陣!という所で、Arsもウィンダスに向かっている事がわかった。

Porojr(戦士)、Choro(シーフ)、Ars(白)の3人でレベル1なのにPTを組んだ。サルタバルタへ飛び出して、色々狩りまくった。クロウラーに挑んで、Arsの女神の祝福、いきなり発動。チョロの初めての絶対回避。

初めてのことだらけである。片手剣を装備するのも、弓を放つのも、殴り殺すのも全部はじめてである。なんだか、楽しい!!

町へ帰ってみたら、周りには、PC版で新しく始めたと思われる、倉庫キャラではないレベル1の人達がたくさんいた。迷子になって道を尋ねたり、LSを貰って喜んでいたり、5月の発売日に戻った様な新鮮さである。みんなとっても親切に教えてあげたり、初心者むけの防具を格安でバザーしていたり、ほのぼのしていて最高である。

ジュノ付近での獲物の取り合いや殺伐とした雰囲気はまったくない。冒険者優待券の人物をさがして迷子になっている人だらけである。NMなんて誰も知らないし、効率なんて誰も気にしていないのである。みんながヴァナディールの風景を楽しんで、ウロウロしていた。

あ〜〜、こういうのを再び体験できるとは、思っていなかった!育てたキャラで二人共始めれていたら、これは味わえなかったと思う。ジュノで待ち合わせして、大羊でも狩りにいくのが関の山だったように思う。

いつかは、この雰囲気もなくなってしまうだろう。すでに情報が溢れてしまっている中で、知りたくもないネタバレを教えられてしまうのかもしれないけど、まだ今は、みんながフレッシュだった。

以前LS会話でこんな会話があった。TokiwaとObsidianの会話だった。

T「ジュノ大公うさんくさ〜〜〜」
O「それ誰ですか?」
T「あ、ごめん;;」

という会話である。ちょろはこのTokiwaの返答に、ハっとし、そしてすごく感動した。この後も会話は続いていたけれど、ちょろは本当に感動して、自分もこうありたい、と心底思った。

ここですぐに「ごめん」と言える人が果たして何人いるだろうか。まだ体験していない人がいるときに、ネタバレをしてしまった、とすぐに感じれてなおかつ謝れる人が一体何人いるだろう。「それ誰ですか?」という質問に対して「〜〜〜の〜〜に出てくる人だよ」と答えてしまう人のほうが圧倒的に多いのではないだろうか?

NM情報はレベルやストーリーとは違うから別として、自分が先にレベルがあがり、新たな情報を得た時に、それを話すこと=ネタバレであり、まだ体験していない人のゲームをつまらなくしてしまう、と感じる事が出来る人って素晴らしいと思うのだ。

今までも、ちょろは無意識のうちに、LS会話でネタバレを満載していたと思う。この日記自体がネタバレだと言われるとそれはちょっと辛いけど、それはちょろの成長とともに書いている日記ということでカンベンしてもらいたい。でも、LSで、レベルが近い人同士でミッションへ行った時や、PTを組んで何かをしたとき、LS会話でネタバレ情報を言わなかった自信はない。

先に情報を得たい人もいるだろう。ストーリーを楽しむのではなく、ひたすらレベルをあげたくて、効率よく先に進みたいという人もいるかもしれない。レベルが高い=エライ、と勘違いしている人もいるくらいなのだから・・・。でも、そうでない人が一人でもいる限り、その人の楽しみを奪う権利は誰にもないんだ、という事を常に心がけていられる自分でありたい。

この先なにが起こるのか、知っていたら対策できて死なないかもしれない。でも、ちょろは知らずに挑んで、驚いて死ぬほうが楽しいのだ。自分がそうであったのに、周りに対して今まで気をつけていたか?と聞かれたとき、自信のない自分が恥かしい。

でも、今、気付く事ができた。それだけでも良かったとして、これからは、Tokiwaのように、自然にそれが実行できる様になりたい。質問されたら答えてあげたい。でも、今度からはそれが自分が知っている情報でネタバレであったときは、Tellで返そう。LSというのはそこにいる全員に聞こえている、ということも再度認識した。

自分でネット等で情報を調べて挑むのと、他人から一方的に情報を押し付けられるのとでは、雲泥の差がある。PC版で新たな冒険者達がたくさん集う事となったヴァナディール。その人達が、まだ情報が全くなかったPS2版の発売当時のように楽しむ事が出来るようなサーバーになったらいいのにな、と思った。

なにはともあれ、心機一転スタートしたPorojr。元祖ポロももちろん合成職人として健在である。初めてのウィンダスミッションも楽しいし、チョロの初めての前衛もとても新鮮で楽しい。守ってもらっていた立場から、守る立場になって、タゲを欲しい!と思う気持ちがすごくよく分った。「こっちむいてよ〜〜〜〜!」と切実に思う。

それでもチョロはやっぱり魔道士が好きで、チョロの白26歳にPorojrが追いついた時は、また魔道士に戻ろうって思うけど、それまではシーフを存分に楽しみたいと思う。

ヴァナディールでゆっくりマッタリ楽しむ事にワクワクしながら、今日のチョロ、ログアウト。




前へ
戻る
次へ