第六十四話:貧乏脱出大作戦

合成とは・・・・・ゆっくりやらないとずっと赤字である。料理は赤字が少ない、とはいえ、例外ではない。作ったものを、黒字の買い手がでるまで、競売に預けたり、寝バザーするくらいでないと、儲からない。

でも、チョロは一気にあげるのが好きである。何でも一気にするタイプなのである。レベルあげするのも、一定の期間、それしかしない。そして、この日記だって、一気に書いているのである。

でも・・でも・・一気にしたくても、お金がなければ出来ないのである(TT)最後のメロンジュースを絞った後、チョロはとうとう所持金3Gになってしまった。飛空挺にも乗れない。なんとも惨めな状態である。困った・・・・・・。でもお金も一気に稼ぎたいのがチョロである。そして、バルクルム砂丘でNM狩りをしていたBibbyに合流することに決めた。

NMというのは、一定のエリアの一定の場所に、ランダムでポップする、珍しいモンスターの事で、珍しいモンスターなので、珍しいアイテムを落とす事がある。それを競売にかければ一気にお金持ちになれるのである。

ただ、NMというのは、ひどいものになると、地球時間で3日、とかのポップ間隔のものまであるらしい。つまりは出るまで、その場所でジ〜〜っとそいつを探して、待っていなければならないのである。2,3時間はザラで、さらに同じ物を狙っているライバルがいると、取り合いとなり、状況はさらに悪化。非常に神経をすり減らす狩りなのである。

そして、当然だが、時間がたっぷりないと出来ない芸当なので、時間のありあまっているいわゆる「ゲーム廃人」達に、NMアイテムの世界はほとんど仕切られてしまっているのも現状らしい。でも、取ったアイテムを高額で買ってくれるのも、お金をたくさんもっている、その人達なので、もちつもたれつ、なのかもしれないけど・・・。

チョロだって、結構時間に余裕のある自称「プチ廃人」だけど、なにしろ、いつでるか分らない物をじっと待つ、というのがとても苦手なので、今まではNM狩りは1回しかしたことがなかった。ラテーヌ高原にでる、NMキノコが落とす、トンガリ帽子が欲しかったので、やってみたのである。その時も、3人でしゃべりながらしていたにもかかわらず、すぐ飽きてしまった。一人ではきっと永遠にやることはない、と思う。

でも、お金がないのである!やるしかない!のである!!!

今回の目的はバルクルム砂丘に出没する、「バルクルムエンペラー」 トンボの形のモンスターである。先に始めてたBibbyは、「すでに5時間たってるのに、1匹もでない。こんなにきついの初めて・・・」と嘆いていた。エンペラーが出すアイテムは、ジュノ競売で10万で取引されている、高額アイテムである。先にBibbyと合流していたGyabanと3人でチョロの2回目のNM狩りがスタートした。

モンスターは、倒すと消える。そして、一定時間でまた現れる。その時、ランダムでNMとなって現れる、というシステムなので、エンペラーがポップする、と言われている場所付近のトンボを全部しばきたおす。その間、狩人の広域スキャンを持っているBibbyが近くに出没していないか、常にチェックしている。

最初は貸切だったのに、昼が近づくにつれ、ライバルが増えてきた。こんなに待ったのに他の人に奪われてはたまったものじゃない。無言の睨みあい(?)が続く中、Bibbyが言った。

B「おった」

でた〜〜〜〜〜。初めてみるNMである。手が震えてちょっと焦ったけど、なんとかBibbyに合流して、撲殺!

アイテムは・・・・・・・・・・・・・・・・虫のはね・・・・・・・

こんなに待ったのに・・・Bibbyなんて6時間以上待ったのにぃ〜〜〜〜TT

後には引けない一行は、再度エンペラーを待った。ライバルも増えてきて、おまけにお腹も減ってくる・・・。(関係ないけど)そして、しばらくたったその時、Bibbyの声が・・・・・

B「おった」

取られてなるものか〜〜〜〜〜!焦るばかりでその場でクルクル回るチョロ。その間にBibbyがしっかりエンペラーをゲットしていた。戦闘中、Bibbyが言った。「これでラストね・・」緊張が走る中、トンボ撃退。そして・・・・・・・・

バルクルムエンペラーは、皇帝羽虫の髪飾りを持っていた。

でた〜〜〜〜〜〜〜〜!これ!これこそ10万円で取引される、という幻のアイテムなのだ!喜びにむせぶタル二人&ハゲ。3等分で一人頭3万円以上である。うれしい!うれしすぎる!NMアイテムを取る、というのは、こんなにもウレシイ事だったのか・・・。何よりもさっきまで3Gしかなくて、砂丘まで歩いてきたチョロは3万円という収入の大きさに喜んでいた。一攫千金、これこそチョロが大好きなお金儲けの方法である。

これでまた調理が出来る(TT)しかし、当然だけど、配当は売れてからのワリカンなので、すぐにはお金がない。なので、Bibbyに前借りで1万円借りる事にした・・・ちょっと情けない話である。

喜びいさんでウィンに帰り、合成を始めたら、あっという間にお金はなくなって、ほんの30分足らずでチョロはまた一桁の所持金になってしまった。でも、もうすぐ収入がある、という喜びがチョロの心を少し豊かにしていた。

今日はここまでにしよう・・・・

素直にそう思えたチョロは、今人気らしい「ミスラ風山の幸串焼き」をバザー設定して、今日のチョロ、ログアウト・・・・・せずに寝バザー。




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