第五十七話:涙の撤退

その日は以前からLS仲間のYuuyuと「ホルトトにクエアイテムを取りに行くのを手伝って」と言われていたのを決行する日だった。

そのクエストをクリアしていない人、してるけど、ヒマな人、色々な人が集まって、総勢11名のLBJプチ集会の様な状態になっていた。

23時にウィンダス集合、という号令と共に、それぞれウィンダスに向かって走っていた。何名かはKoaraのテレポで一緒に来る、という事で、ちょっと遅刻しそうなチョロは焦っていた。

でも焦らないで済む事件発生。Koaraのテレポでタロンギのメアのゲートに飛んだ何名かに入っていた、主催者のYuuyu。何とメアのゲートクリスタルを持っていなかった・・・・。レベル34なのに、なんというこってすたい・・・・。ほんとにオチャメ(?)なYuuyuである。

しばらくしてから、ホルトト遺跡にみんなが集合した。Gapuel、Aoy、Bobu、Bibby、Yuuyu、Joker、Riche、Choro、そして、後から、Bati、とKoara、とKagも合流して、総勢11名のアライアンスが完成した。

ホルトト遺跡内のとある部屋でクエストアイテムを出す敵を狩りまくる一行。貸切だったので、部屋の敵がすっからかんにしながら狩りまくって、ほどなく全員分の目的のアイテムを取る事が出来た。

ホルトト遺跡には、もう一つダンジョンが組み込まれている。それがトライマライ水路、だ。大体レベル40からの狩場らしい。この日のLBJのメンバーで、レベルが一番高い人でも、40になっているのは一人も居なかった。むしろ、サポで来ていて、20代、というメンバーだっていた。

でも、見たい!見てみたい。行った事の無いその水路を見たいのよ!どんな敵なのか、見たいのよ〜〜。探検が大好き!なのである。しかも11人全員が・・・・。全滅しても、楽しいと言い切ってしまう、真性M11人、なのである。

ちょっとだけ、ちょっとだけ見てみよっか・・・・誰が言い出したのかはもう覚えていない。誰も意義を唱えることなく、一行は水路に向かって走り出した。さっきまでの敵はヨワヨワだったので、気分はもう強気なのである。

水路への道で、Richeがビールに飲まれて寝落ち。何度か起きる物の、最後は「もうだめぽ・・・」と言い残して、そこで離脱した。酒は飲んでも飲まれるな、である。

そして一行はトライマライ水路へ到着。入ってみると・・・・案外混んでいた。でも、見るからに派手な装備に身を包んだ百戦錬磨の人ばかりである。ちょうど入り口で戦っていたPTのコウモリを調べてみると、

とてもとても強そうだ

だった・・・・・・・

結構混んでいるので、コウモリが中々みつからない、結構奥まで進んだ所で、なんとスライムに出くわした。

「これはダメだよ。」「これはやめとこう」

口々に言って、コウモリを探していたら今度はホネに出くわしてしまった。そこへ、レベル40以上らしきそこの人が

「ホネが出るので、気をつけてくださいね」

とアドバイスしてくれた。やっぱりホネは怖いんだ・・・・。Sayで、「ちょっとだけ、見にきたんです〜〜」とアピールする一行。いきなり緊張感がアライアンスを走り抜ける。よく見たら盾となるメンバーがほとんどいない。本来ならば、このエリアにくるまえに済ましておくべき打ち合わせを、いきなり始める一同。連携どうする?回復の順番は?全員興奮してテンパっているので、訳がわからない状態になっていた。

と、そこで・・・・・Bibbyがコウモリに・・・・どつかれた!!

一瞬呆然となる一同。BibbyのHPが赤く染まって行く。ハっと我に帰るメンバー。

Aoyの挑発が炸裂。戦闘がはじまったんだ!!!

盾となるメンバーが挑発を繰り返す。打ち合わせした回復の順番なんて、関係ないくらい、連射しないと追いつかないほど、攻撃が強い。そして、味方の攻撃はあたらない・・・。

開始15秒、悲劇は始まった。

〜〜Batのジェットストリーム⇒Jokerに589ダメージ

Jokerはこの日、27歳のナイト、当たり前だが、即死である。

開始30秒、ケアルを連射するChoroにコウモリのターゲット移動、通常攻撃たった2発で、MPを300以上残したまま、Choro死亡。

盾役と回復を一人ずつ失ったメンバーはそれでも必死で食らいついていた。必死で不意打ちをあてるBobuとKagとBibby。HPが真っ赤なのにもかかわらず、挑発を繰り返すAoy。暗黙の了解で、順番にヒールする白魔道士達。それでもとうとうMPが尽きる時が来てしまった・・・。

周りにはちょっと迷惑そう、ちょっと不安そうに見守る高レベルの人達の姿があった。

もうダメだ・・・・みんなが内心そう思い始めた時、PTに「無理だよね?」と確認し、Bobuが救援要請発動。みんなで半分までHPを減らしたコウモリは周りの人の手によって、あっさり殺されてしまった。でも、あと少し救援要請が遅かったら、全滅だったかもしれない・・という、状態だった。

レベル違いの狩場にアライアンスでやってきて、大騒ぎする・・・・・なんという迷惑行為・・・なのか?どうかわからないけど、そう感じる人も絶対いるだろう・・・・。

レイズを受けたあと、Say,で謝りまくるメンバー。

Choroは土下座した。
Aoyも土下座した。
Yuuyuも土下座した。
「すみません、すみませんでした。すぐ退散します。ごめんなさい」
「お騒がせしました。ありがとうございました」

みんな思い思いに謝っていたら、高レベルの人の中の一人が

「冒険もいいけど、命を大切にね」

と言ってくれた。

「リッパになってから、また来ます〜」
「見てみたかったんです・・・」
「ありがとうございました・・・」
「お邪魔しました〜〜」
「頑張ってください〜〜(お前が言うな?)」

みんなで言って、失笑を受けながら、一同は水路を後にした。

エリア移動後、ヒールしながら、反省会(?)をした。

「強かったね〜〜〜」「最初唖然としたよね〜〜」「Jokerにいったジェットすごかったね!」「楽しかったね〜〜〜」「何人か死ぬくらいが楽しいよね!」「今度は氷河いく??」

えー・・・・・早い話がだ〜れも、全然反省なんてしていないのである。そこが適正狩場の人には、ちょっと邪魔かもしれないけど、見たことない場所、見たことない敵、未体験の地へいくのは、楽しいのだ!!ずっとそこでのさばって邪魔するわけじゃないし(死ぬからのさばれない、し・・・)ちょっと見てみたいだけなのだ。今回は死人も二人だけだったし、かなり優秀な方じゃないかな?とか思っていた。

みんな大満足で、また絶対冒険行こうね!と約束して、アライアンスは解散した。

最近レベルあげする事が多くて、ちょっとつまらなかったチョロだけど、やっぱりヴァナディール楽しいな!とうれしくなって、今日のチョロ、ログアウト。




前へ
戻る
次へ