第四十六話:シャクラミ探検隊:最終話、恐怖のポップ時間

大地のエレメンタルとの戦闘のダメージを完全回復した一同は、目的地である小部屋が、今立っているところのすぐ後ろであることを知った。

振り向くと、大きな大きなサソリが2匹、シッポでハートマークを作って待ち構えていた。その間には、さっきのJellyとは違う名前の、あきらかに強そうなスライムもグニャグニャしていた。

う〜〜ん、あからさまに大変そう・・・でもエレメンタルに勝って自信がついていたので、誰も怖気づくことなく、1匹ずつ釣って戦う事になった。後ろにひっぱろう、と決めて、後ろを確認すると、なんと後ろにもサソリがわいていた。おまけにワイト、コウモリの姿も見える。それらの敵に見つからないようにする事を考えると、下がれる空間はほんの少ししかなかった。かといって、後ろも相手していたら、キリがない。一同は限られた空間で戦う事を決めた。

まずは名前が変わっているスライムから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!段違いの強さである。Jellyとは比べ物にならない。魔法攻撃が多少効くので、久しぶりに黒魔法を使う事にした。それでも、あまり連発すると、戦士の挑発が間に合わないので、少し時間をおいて魔法をうつ。戦士のHate値を考えて打っているつもりでも、気がせいて早くなってしまう。Arlimanさんの魔法攻撃指示に従いながら、そいつを倒す事に成功した。

次はサソリである。2匹が非常に近くに居るのでリンクが怖かったけど、近づかない限り、同種リンクはしない様子。Kentaroさんのブーメランで釣って、1体ずつ倒した。

やっと目的の岩に到着した。変な形が記された岩があって、(ここに着くまでにも似たような形を記したダミーの岩がたくさんあった)そこを調べると、ノートリアスのスライムが出現し、そいつがプルナイト貝を100%ドロップ率で落とす、という。(Poro情報)調べてみると・・・

なにやらベタベタしている・・・・

とコメントがでたと思った瞬間、見た目はJelly、そしてさっきのやつと同じ・・・・でも名前が明らかに違っている、えらそうな名前のスライムが出現した。まさか、こんなにすぐに、しかも目の前にわくなんて・・・・そいつは当然襲ってきた。

みんなまだ十分に回復していなかった・・・。でも仕方ない、戦わなければ死んでしまう。幸い他の敵は倒したばっかりだから、まだわかないだろうし、と安心し、そいつとの戦闘に突入した。

恐るべき強さだった。魔法攻撃だって効いているのかなんだかわからない。連携でもちょびっとしか当たらない・・・それでもやるべき事はひとつしかない。Arlimanさんの攻撃魔法指示に従い、チョロは攻撃&回復。Bati&Koaraは回復援護+弱体で戦い、なんとかそいつを倒す事が出来た。そして情報どおりプルナイト貝を落とした。

8分くらいの間隔でそこの岩を調べたらこいつが出るらしいので、5回倒せば全員ゲット・・・・・・・・・しかし、そう簡単にはいかなかった。

強敵のスライムを倒し、回復をしているチョロの耳に、「グジュルル・・・」というイヤな音が聞こえた・・・と思ったら、最初に倒したJellyではないほうのスライムが襲ってきていた。まだみんな全然回復していない。え・・・・?ちょっと・・・・といっている間に、戦闘開始。フラフラになりながら、戦っていると、向こうでMP回復の為ヒーリングしていたKoaraの悲痛な声が聞こえてきた。

「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜!」

みると、座っていたKoaraの真上に大サソリがポップしていた。逃げ惑うKoara,でも下がるとさらに敵がいる。逃げ場はなかった。一同はスライムに集中し、その後、サソリに取り掛かった。全員もうフラフラだった。サソリもう少しで・・・いける・・・と思ったその時、サソリのWSにKoaraが倒された。その倒されたKoaraの真上に2匹目のサソリがポップした。4人になった一同は半泣きになりながらもなんとかそのサソリを倒す事が出来た。そして、BatiがKoaraをレイズ。こんなに早くポップするのか・・・・・一同は恐怖で言葉も無かった。

Koaraの弱体が回復したところで、2回目のノートリアススライムに挑んだ。ところがこんどは、そいつを倒しきる前に、別のスライムがポップ、そして、そいつを倒しきる前にサソリ2匹もポップした。この連戦でKentaroさんが死亡、さらにArlimanさんも死亡した。ふたりをレイズし、休憩。Koaraは少しでも戦力の増加を・・・と、グリルを焼き、戦士さんにふるまっていた。

恐ろしいほど短いポップ間隔だった。なんと厳しい設定なのだろう。安全に狩るには全ての敵のポップ時間を把握し、誰かが死亡した場合には、ポップ時間の計算をしなおし、戦闘にはいらなければ、4連戦を強いられる事となり、誰かが死亡する事必至となる。レイズナーが2人居た事が、かなり助かる結果となった。

その感覚をつかむ頃には、目的のプルナイト貝はあと1個を残すのみとなっていた。みんな眠さも限界になっていた。最後のノートリアススライムを倒した一同には、帰り方も分らない迷宮で、コツコツ敵を倒しながら道を探す気力は残っていなかった。来た道は激しい段差をとび降りた為、帰る事はできない。生きて帰るためにはさらに探検を続ける事になる。それをするには、みんな限界だった。

大広間をウワ〜〜〜〜っと走りぬけ、そこら中の敵がポップし、強制デジョン発動。全員死にデジョンでHPと帰っていった。

経験値的にはかなりのマイナスだったと思う。でもチームワークを駆使し、お互いのジョブの特性を生かし、知らない場所で試行錯誤する、そのワクワク感、ドキドキ感、そして達成感、ジュノで経験値効率ばかり語っている人には永遠にできない体験だったと思う。そして、ものすごく充実していて楽しかった。冒険者とはこうあるべきだと本当に思った。ジュノでのレベルあげで、イヤな思いをしてから、FFをイヤになりかけていたけど、やっぱりオンラインは最高!って思った。レベルをあげるのももちろん、とても重要な事だ。でもそれに目がくらんでいては、このゲームを楽しむ事を忘れてしまうのではないかな?と思うのだ。たまには、そんな効率は無視して、冒険に出かけるのもいいじゃない!ってゆうか、こっちの方が楽しいよ!ってチョロは実感した。

戦果は全員分のプルナイト貝に、双子石のピアス、そしていくつかのスライムオイルとサソリの針だった。(3個ずつくらいだったかな?)

レベル上げ以外の楽しみ方、(探検、合成、人助け、ミッション等)を一緒に楽しめる友人が居る事をうれしく、誇りに思って、今日のチョロ、ログアウト。




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