第十四話:PT運

世の中には色々な人がいる。同じようにネットという社会にも色々な人がいる・・・。若い若い中高生が相手なら、「子供だから・・・」と多少目をつぶることも出来る時もあるけど、(いやでも、チョロは基本的にネットに年齢は関係ない、って思ってるけども・・)ええ大人やと分ってしまうとその傍若無人ぶりに腹がたってしまうことも稀にあったりする・・・。

その日は先日一緒に遊んだ安全確実狩り方法の、Mizrahiさんが一緒のPTだった。6人PTを結成して、いざ狩りへいったのはいいのだけど、一緒のPTのモンクのR氏、ネチネチ文句ばかり言っている。Mizrahiさんが、「この方法が安全で確実だと思うのですが、どうでしょうか?」と提案までして、みんなが「いいですね!死んだら元もこもないですし!」と賛成している中、「う〜ん、・・・・・・・・・・ちょっと時間かかるけど・・・・・・・・・・・まぁ、・・・・・・・・・・いいんじゃ・・・・・・ない?」    やたら、・・・・の多い話し方をする。

別に、反対意見というのはいけないものではないし、この方法が面倒で、突撃体制がいい、というのも、別に間違った意見ではないとチョロは思う。でも、奥歯に物の挟まったような言い方がやたらチョロのカンにさわる。ひとり反対意見というのは言いにくいかもしれない。言いにくいなら言わなければいいと思うし、どうしてもイヤなら、穏便にPTを抜ける方法だってたくさんある。嫌味のようにグチグチいうのはどうも気にいらない。でも、まぁ、きっと世間をしらない若造なのだろう、大人なのだから怒っちゃいけない・・と自分をたしなめてガマンしていた。

Mizrahiさんは、最初の2,3匹は、お試しで「とても強い」ではなく、「強い」を釣ってきてPTがどんなもんか試しますね、といっていた。「おっけ〜」と言って倒して、経験値は平均50くらい。「とても強そう」もいけそうだね、と思っていたら、また例のR氏、戦いが終って経験値がいくつかわかった途端、「少な!!マズ!!」の連発。最初だから様子を見てるんじゃない・・・と思いながらも、チョロは言い出したら暴言を吐きそうなので、黙っていた。でもMizrahiさんは、「この方法、気にいらないですか?別の方法にしますか?」とやさしく聞いてあげたりしている。でもR氏、「まぁ・・・・・・・・・・・いいんじゃ・・・・・・・・・・・ない・・・・・・・・?」 

ウ、ウ、ウザ!!なんちゅうウザい話し方やねん!チョロは黙っていたけど、他のみんなはチラホラたしなめはじめていた。結局、R氏の何度目かの「マズ!めんどくさ!」発言の後、MizrahiさんはR氏以外のPTの全員にTellで「すみません。私、抜けます」と言い残して去って行ってしまった。むむむ〜〜〜〜、ムカつくよぅ・・・。

戦力が抜けたPTは、戦力補充に一旦セルビナに帰ることにした。HP前に集合ね、とみんなで帰ってきたのは良いけど、R氏だけが帰ってこない。ちょっと心配になったチョロはTellで「大丈夫ですか?からまれましたか?応援いきましょうか?」と言ってみた。すると、「大丈夫〜〜」の返事。一体なにしとんねん?

しばらくしたら、PTのHPゲージが満タンでR氏が帰ってきた。走ってくるかな?と待っていると、気がついたら後ろに立っているじゃないの!
C「え?え?なんでいきなりここに・・・」
R「さっきマズかったから、一人で倒したら美味しいと思って。イケると思ったら死んじゃった。あ〜あ、後ちょっとでレベルあがったのに。またやり直しだ。ねぇ、早くいこうよ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだよ、それ。みんなが町で戦力補充に走り回っているときに、ひとりで遊んでたんかいな。それで死んで文句言われてもしらんがな。ってゆうかソロでやれ!心の中でそう叫びながら、無視して戦力補充をしていたら、R氏は関係ない雑談をPT会話で始めた。その会話の中でおっそろしい事実がわかってしまった。R氏は若造でもなんでもない、ただの27歳のイケてない大人だったのだ!!こんな世間知らずの自己中野郎を雇っている会社があるとは!チョロはたまらす、「R氏、27歳だったんですか。絶対中学生だと思ってました。」とチクリ嫌味発言をしてしまった。

結局戦力もみつからず、PTは解散した。数日後、同じセルビナの町で、「誰か・・・・・・・・・おれを・・・・・・・・・PTにいれてよ・・・・・・・ねぇ・・・・・・・・・・いれてよ・・・・・・・・グスッグスッ・・・・・・・・・いれてよ・・・・・・・・」というシャウトを叫びまくっているR氏を見かけた。世の中は彼がいつまでもあのままでいれるほど甘くないんだな、とちょっとウレシくなって、意地悪な今日のチョロ、ログアウト。




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