第百三十八話:四神戦第三弾・白虎の巻

 金曜日の晩、何かとイベントを繰り返しているうちに、普段は夜これないメンバーも、金曜だけは・・・と都合をつけてくれたりして、「金曜戦力」とも呼べる戦力が、1週間に一度だけ集まるようになってきた。そして、ジラートミッションをこなす人もどんどん出てきて、新たに空に行けるようになる人もでてきて、LBJの戦力は確実に大きくなってきているな、と思うのだ。

この日は、四神最強、と言われている白虎との決戦の日だった。着々と空に集結するメンバー達。玄武と朱雀の時は、フルアラを越えるメンバーが集まり、戦いながらメンツを入れ替えたりしたのだけど、最強の白虎とやる、という今日は、都合がつかない人が多かったのか、フルアラにおさまるメンバーで挑む事となった。

そもそも、こんな強敵と戦うのに、集合の呼びかけは、LSメッセージの「金曜白虎突撃・23時空集合」の文字だけである。よくみんな集まってくれているなぁ、としみじみ感謝なのである。

白虎は、前衛垂唾の装備を落とすらしく、みんな色めき立っていた。メンバーのHayatoが、前に一度フレンドのLSで白虎討伐に参加し、惜しくも敗走してきた経験の持ち主で、作戦を綿密に考えてきてくれていた。

なにしろ、他の四神とは比べ物にならない強さで、初戦で勝利したLSはない、という噂さえあった。みんな各自、出来るだけの準備をして、現地に向かった。

いつもどおりワープの前でTPを貯めて、白虎と戦うフィールドに突入した。そこで、ハヤトの考えてきた作戦を聞くこととなった。

●前方範囲が空蝉を貫通する強力な技なので、ナイトの2枚盾ではさみ、騙しをいれる場合のみ、どちらかの背後に移動する。それ以外は他の前衛はみんな横から攻撃。

●範囲麻痺への対処をすみやかに。担当を決めて、個人マクロを作る。

●タゲを固定しないと、前方や範囲の攻撃がきつすぎるので、ナイトのインビン+WSを最初に持って行く。

●真空の鎧を使えるメンバーは、できるだけかけにいく。

●色んな魔法を唱えるけど、一番きついのがバニシュガV。これはなるべくスタンなどで止める。

そして、黒のチョロが受けた作戦は、「適度な精霊と回復と状態異常回復とスタン」スタンを使えるのは、今回のメンツでは、Tokiwa(暗黒)Tubasa(黒)Choro(黒)の3名。だけど回復とパラナに追われている自分が容易に想像できるので、メインスタンはトキワにまかせることにした。自分のPTメンバーを優先に状態異常回復の個人マクロを作成し、ドキドキしながら開始をまった。

Kiryuがトレード役で、Gatoさんのインビン+スピリッツで試合は始まる。そこに、開幕で一斉にTPを放出し、あとは・・・・あとは精一杯頑張るのみ!!!

キリュウの緊張した掛け声と共に、黒虎・・・いや、白虎は出現した。白虎、読み方はびゃっこ、ビャッコ・・・・白い、虎、という意味。・・・・・・・・・・・・う〜〜ん・・・・・

黒い白虎にびっくりしている場合ではない。出現と同時にバニシュガVを唱える虎。大丈夫、トキワがとめてくれるはz・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドドドドドドドドドゥ・・・激しい音と共に、みんなのHPがドバーっと減る。虎の黒さに度肝を抜かれたのか、開幕速攻すぎて度肝を抜かれたのかは、今でもわからない。とにかく3名いたはずのスタンチームは、全員がスタンを唱えなかった、という事実だけが残った。

ビビりながらもガトさんのインビンが発動し、みんなのスピリッツが打ち込まれ、虎のHPは思ったより減った。ところが・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ?この攻撃力、半端じゃねえええええ!!!

ケアルが間に合うとか間に合わないとかの問題じゃない。ダブルアタックがでたときの虎の攻撃力はすさまじく、虎をはさんで立っていたキリュウが崩れ落ちた。とっさに代わりにはいるBaphomet。固さに命をかけているガトさんが粘るなか、キリュウの蘇生と建て直しに走り回る後衛達。その間も、容赦なく咆哮が繰り出され、一斉に流れる麻痺のログ。

サポ忍の戦士達が交代で盾役をするものの、その攻撃力の前にドンドン崩れ落ちていく。死亡によるヘイトリセットで、タゲはふらつき、空のバトルフィールドを縦横無尽にかけまわる白虎。

それでも衰弱のまま白虎に立ち向かうキリュウとガトさん。半壊のまましばらく粘り続ける事ができていた。でも、状況は最悪で、攻撃するのではなく、ただ耐えているだけの状態だった。

衰弱から治ったナイト2名が再びその攻撃力の前に崩れ落ちてからは、虎はいたぶるように前衛たちを殴り殺し、そして、誰かにパラナをかけたチョロのほうを虎がキッ!っと睨んだ。(気がした)そしてその5秒後

ByakkoのバニシュWが発動。Choroに978のダメージ。
ChoroはByakkoに倒された・・・。

睨まれたとき、すぐ駆け出したのに・・・魔法だったのか。敵の方をむかず、背を向けた姿勢で草むらに倒れるヘタレ丸出しチョロ。そして、チョロが死ぬのと時を同じくして、ほぼ全滅の状況となった。

少し前に死んでいてヘイトがきれているメンバーだけが草むらの影で怯えていた。
せめてSS撮ってよ〜というチョロの声に、恐る恐る歩き出すDeku。もちろんそんな勝手な行動を白虎が許すわけもなく、光の速さでDekuは再び死んだ。命がけの撮影だな!と思ったが、撮影することさえ許可されない速さだったらしい。

こうして、LBJは「白虎に初戦で勝利した伝説」を作る事はできなかった。でも、この悔しさはバネとなり、みんなが思い思いの作戦を考えて、とてもよい目標ができた。

今、そのみんなで考えた画期的作戦のために、Quinが暗黒を育てている。もう一人の作戦のキモとなるメンバー、Bibbyは、たしか既に暗黒が育っているので問題ない。

HNMLSではないから、白虎用の編成など無い。今までだって、どんな敵にも、独創性だけで勝利してきたのだ。それは時として「レベルをあげる」という作戦とは言えない作戦だった事もあるが、それでも「物理は通らない」という敵にだって、レベルの底上げをし、時間をかけて勝利してきたのだ。最先端で、誰も戦ったことの無いNMを倒してきたわけではない。既に出回ってういる色々な情報を頼りに、最先端とは程遠い速度で進んでいるLSだけど、それでもやっと四神まできたのである!

白虎のHP自体は決して多くはない。今、LBJでまことしやかに進められている「短期決戦ウルトラマン作戦」への布石がそろい次第、白虎にリベンジ予定である。その時こそ、勝利の日記を書けるはず、と確信している。

敗戦に悔し涙を飲んだ一同は、速攻でトリガーアイテムを集めに走り回り、その日のうちに白虎への切符は手に入れた。

次はああしてこうして・・・そしてああするのだ!!と脳内作戦をシュミレーションしながら、今日のチョロ・ログアウト。 
 





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