第百十三話:初PK

PK、MMOでは、敵ではなく、人の操るPCキャラを殺す事を、PKと呼ぶらしい。FF11では、普段PCキャラを攻撃することは不可能で、アクティブモンスターを使って、故意に他人を被害にあわせることを、MPKと呼んだりして、総じてFFでは良い事ではないとされている。

ところが、チョロは、思いっきりPKすることとなったのだ。いや、チョロだけじゃない、犯人は他にも5名いた。

その日は、ミッションのために、デルクフの塔に登っていた。最上階まで行く必要があるため、一同はテケテケ走っていたのだ。そして、その途中、Porojrがそいつを見つけた。

P「(`・ω・´)Pallas(´・ω・`)」
P「NMだ〜」

青い巨人がうごめくなか、なにやらNMを見つけたらしい、とりあえずその時はミッションへ行くところだったので、帰りにやろう、ということになった。

そしてミッションの帰り道、そいつはまだいた。その時いたメンツは、
Hayato・エル戦士66
Gyaban・ガル戦士64
Obsidian・ミスラ狩人67
Bibby・タル赤66
Porojr・ガル吟65
Choro・タル黒65

いつも、デルクフで巨人を狩って素材を集めているPorojrは「きっと余裕でそ」とのたまっていた。他のメンバーは、同じ考えだったのかどうかわからないけど、チョロはデルクフにはあまりなじみがないので、こいつがどのくらいの強さなのか、見当もつかなかった。

H「とりあえず、通路のコウモリ掃除しよっか」

サブリガハヤトがこう言ったとき、Porojrはすでに赤い名前のPallasを連れてこっちへ向かってきていた。ぉぃぉぃぉぃ・・・・・・・・・・・・・・・

でも、みんな慌てた様子もないので、それほど強い敵でもないのかな、と思い戦闘開始。すると、そのNMはなにやらコウモリを連れている。通路にいたものではなく、ペットとして連れているのだ。これは・・・・噂に聞く、仲間を操ってくる、という獣使いタイプなのね〜!こりゃ楽しみ!操られたい〜〜!普段封印しているガ系黒魔法の出番なのか?!ってういか、操られたらどういう状態になるんだろ・・・?よくわからないまま戦闘は始まった。

後ろの通路のコウモリも当然リンクしてきた。ララバイで寝かして巨人と戦うものの・・・・・

P「え・・・・・なんか強いね・・・・・・・・・・・・・・・・」

みんなのHPが見る見る赤く染まり、こりゃいかん!とエスケプを発動。周りに誰もいなかったのが幸いだった。

C「なによ!今の〜〜!」
P「強いなおい・・・・。もう一個下の層のはソロでいけるから、いけると思った・・ごめん」

というわけで、回復してリベンジに向かったのだった。現場について、周りも掃除し、いよいよ本番。とりあえずペットを殺してから本体に挑んだ。

中々の強さである。でも、リンクもしていなく、ペットも死んでいるから、倒せない、という感じではなかった。順調に半分くらいHPを削ったところで・・・・・

Pallasは使い魔を実行⇒Gyabanは魅了の状態になった。

キタ━━━━(゚∀ ゚)━━━━ ! !

ハゲである、ハゲが操られたのである。いきなり巨人の股間に移動して、Obsidianに殴りかかるGyaban。Obsidianは狩人で装甲が薄いので、ハゲの攻撃が結構痛い!っていうか、これ攻撃できるの?

誰かが何かを言ったわけでなく、一斉にGyabanにターゲットを移す面々。

B「攻撃できるw」
P「300%スピリッツ」

Porojrがつぶやく。今まで撃たずに貯めているあたりが確信犯である。そういうチョロもセラフストライクを撃てる状態だった。

Porojrのスリリッツウィズイン→Gyabanに○○のダメージ
Choroのセラフストライク→Gyabanに○○のダメージ
Bibbyはウォータを唱えた→Gyabanに○○のダメージ

ダメージ総数600をこえている・・・。みんな好き放題Gyabanに攻撃をしかける。そして、GyabanのHPは本当に減っていて(当たり前)赤くなってきた。やべ〜〜〜、殺せちゃう・・・・・・
G「何もできね〜〜〜〜〜!」
C「じゃあ、ペットからw」

そんな会話を、かわしながら、最後はみんな巨人にターゲットを戻し、本体を倒すとGyabanの魅了は解けた。

コレは・・・・・・・・・・・・・・・・・・これはおもしろい!!!!是非操られてみたい。Gyabanは戦士だけど、黒であるチョロが操られたら、魔法を使うのだろうか?狩人であるObsidianが操られたらサイドワインダー撃たれるの・・・?ヽ(´Д `;)ノ

そういえば、Gyabanは攻撃はしてきたけど、WSは撃たなかった。もう少し倒すのに手間取ったら、アビリティ「本気出せ」でWSを使う指示がでるのだろうか・・・。もし、WSを使われていたら、攻撃されていたObsidianは死んでいたかもしれない!

まぁ、この魅了された仲間を本当に殺す人はいないだろうけど、死なない程度に攻撃して遊ぶのはかなり楽しかった。操られたら、完全オートアタックで何も出来ないらしい。魅了されたのがGyabanだったから、躊躇なく殴って遊べた・・・。これがチョロだったら、遊びで殴るだけで本当に逝ってしまうだろう。ちなみに、最後はPorojrのララバイでGyabanを寝かせたので(Obsidianが本当に危なかったから・・・・)敵にまわると極度に怖い相手が魅了されたら、寝かせてしまうのが得策だろうと思う。

後に調べたら、エスケプやテレポは魅了されている仲間には発動しないらしい。もし、倒せないまま逃げていたら、他の誰かが倒しにくるまで、Gyabanはずっと「Gigger’s Gyaban」のまま青い巨人の後ろをトコトコ歩いていることになったのかなぁ・・(んなわけない)

そんなわけで、大爆笑しながら倒したこのNM。な〜んにもドロップしなかったけど、また出会ったら是非とも戦いたい相手となった。

魅了された時のために、古代魔法揃えとかないとな〜とか思いながら、今日のチョロ・ログアウト。




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