第七十二話:ツワモノどもが夢のあと・・・

料理人ライチャードのクエストで、久しぶりにマウラにきたチョロ。サポートジョブを取った後、何度となくマウラには来ていたけど、今日はなんだかしみじみその風景に見入ってしまった。

初めてKoaraとBatiと共に降り立った時、人ごみで迷子になりそうなくらい、大勢の人で賑わっていたマウラ。

PT募集のシャウトが飛び交い、トレインから逃げてきた人、巻き込まれた人の罵声が飛び交っていた活気あふれるマウラの面影はそこにはなかった。

込み合いすぎるから、宿屋の前がPTの待ち合わせ場所だった、あの頃。大人数のPTのしんどさを思い知りながらも、何かにみんなで立ち向かう喜びがあった、あの頃のマウラは、もう2度と帰ってこないのかな、と、とっても寂しくなった。

チョロはここで、初めて人と一緒に何かに立ち向かい、ゲームなのに、辛く修行のように感じ、でも、その達成感は何物にも変えがたく素晴らしい物だった。

今はそのマウラの賑わっていた広場には、誰も居ない。セルビナは、今でもサポートジョブを取る人、セカンドキャラを育てている人等で賑わっているのに・・・。チョロの思い出のマウラはすっかり寂れてしまっていた。

寂れたマウラには、今までにも何度も訪れていたはずなのに、今日はなんだか急に色々な事を思い出して、すごく寂しい気分になってしまった。

でも、あの時知り合った人と、今でも出会えば手を振り挨拶する。今は別の楽しさがあるけれど、あの頃の事ってみんな、忘れられない時代の思い出、となっているんじゃないかな、って思う。

過去を思い出して、楽しかったって思えるのは幸せだな、って思う。長い滞在の後、出会った勇士達に見送られながらマウラを去ったときの感動、チョロは絶対忘れない。

マウラは寂れてしまったけど、ここを訪れるたびに、たくさんの人がチョロと同じ感傷に浸っていると思う。そしてそういう場所って、ステキだな、とも思ったりした。

ちょっと感傷的になって、今日のチョロ・ログアウト。




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