第五十二話:宝箱捜索隊:グスケン鉱山編

チョロがバスのツェールン鉱山の端っこで錆びたバケツ釣りに励んでいると、NaruからTellがきた。

「ちょろたん、なにしてんのー?」

何してるというほどの事はしていなかったので、釣りをしてる、というと、

「じゃあ、今日はグスケン鉱山へ宝箱探しに決定!」

という連絡が来た。やった!今日も宝探し!メンバーはシャクラミのときとほとんど変わらない、Choro,Naru、その友達である、Kauru、Rashper、である。そして、今日も白不在のまま、一行はグスケン鉱山に突入した。

チョロはこの鉱山に来るのははじめてである。バスで地図を購入して挑んだのだけれど、右も左もわからない。(まぁ、それはいつものこと・・・・)最初の方はからまれもしないガイコツばかりだったけど、だんだん敵が強くなってきた。

と、この辺で気付いてしまった。この鉱山、オ・・・オバケが・・・・でるよぅ〜〜〜〜〜〜!!

雰囲気が・・・雰囲気が・・・・サンドリアの地下牢くらいコワイ!!子供の幽霊がその辺をボォ〜〜っとしていて、薄暗くて、人魂が飛んでいて、おまけに時折鳴るこのサイレンはなんなのさ?!

バイオハザードを見ている時の様な心拍数になってくる。コントローラーは汗でベタベタ。はぐれてはなるものか、と始終Naruをオートターゲットで歩いて行った。たとえ戦闘中でも一人離れるのが怖い。でも魔道士なので、はなれなくてはいけないときも・・・・・。非常に不安定な精神状態でチョロは鉱山を進んで行った。

ここの宝箱のカギはGから始まる名前のトンボが落とすらしい。それを探して進んで行くと、ここの敵のうちの一種類である、犬のWSで全員病気になってしまった。

病気、それになると、座ってもヒーリングしない。すなわち前に進めないのだ。チョロは回復担当なのでチョロだけでもかからなかったらいいのだけど、なんせビビっているチョロは、犬との戦闘では離れないと、と頭ではわかっているのだけど、戦闘が始まるとすっかり忘れてみんなにピッタリくっついて殴りかかってしまう。

病気に時間をとられながらも、進んで行くと、大きな広間にでた。そこにはJelly、ボギー、バンシー等の強敵がウジャウジャいた。この鉱山は不死系のモンスターの溜まり場らしい。

通り道の犬だけ倒して進もうとしたら・・・・・

NaruはTreasure〜〜〜をバシっと叩いた

ト、トレジャー・・・・・・?!トレジャー?!そ、それは・・・・・・・・・・・・・・・・・?!

宝箱だ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!周りに居たJellyをしばき倒して近寄ってみると、それはまさしく宝箱!!!長きに渡って探し続けた捜索隊!ついに宝箱に遭遇!!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カギ・・・・・ねぇな・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやいや、それでも初の宝箱遭遇!かなり盛り上がる一行。用も無いのに、というか、むしろそこにいたら敵がわくから危ないのに、なぜか宝箱のまわりでみんなで座ってヒーリング。

回復した一行カギをとるべくGから始まるトンボ探しに。幸い周りには誰もいないので、ライバルの心配はない。と、そこで興奮してはしゃぐKauruの姿がいきなり消えた。PT欄に名前はあるので、回線落ちではないはずなのに・・・・・・・・・・・・そして、よくみたらRashperの姿も見えない・・。

Kauruの声が聞こえてきた・・・・・・「穴に・・・・・・・・・・・・落ちたよ・・・・・・・」

ふと足元をみると、穴が開いている。しかも、穴!!と主張している穴ではなく、かなり慎重に気をつけていないと、気付かないような穴だった。そりゃ、宝箱発見ではしゃいでいたら気付かないよね・・・・。

どのみち、トンボを探しに行く所だったし、どこにいるのかも分らないので、折角なので(というか他にどうしようもないので・・・)残りの二人も穴に飛び込む事にした。

穴の下は、案の定一回り強いエリアだった。犬の病気の範囲もひときわ広くて、角を曲がるくらい離れていても、病気にかかってしまう。でも、そこでお目当てのGからはじまるトンボ発見!周りのワイトに注意しながら進んで、トンボと戦闘!と、トンボはどうやら同種リンクするらしく、しかもリンク範囲がかなり広い。2匹のトンボを相手に苦戦していたら、そこになんと犬がわいてしまった。KauruのHP1ケタの危機になりながらも、なんとか全員生きたまま倒す事が出来た。でも、倒す寸前に、また病気になってしまった。しかも、全員トンボの猛毒におかされたまま・・・・・・。回復もできず、チョロのMPはからっぽ。ポイゾナを唱えられない。全員HPは濃い赤に染まっている。しかも、そろそろ、ワイトが沸く頃のはず・・・・・。今襲われたら絶対に全滅である。でも出来る事はなにもない。安全な場所はどこにもなく、怯えながらその場に立っているしかなかった。

恐怖の時間は刻々と過ぎ、まずKauruの病気が治った。急いでヒーリングし、全員にポイゾナ。サポ白でよかった!そして、全員の病気が治り、完全回復で次の広間に入り、トンボと戦っていると・・・・・・・・・・・

トンボのWSが炸裂。全員に100以上のダメージを与える強烈なWSだった。ケアルに奔走していると、なんとそこへワイトがわいてしまった。度重なる不運。チョロのケアルのHate値、かなり高くなっていたらしく、ワイトはチョロに直行。即死、である。回復タンクを失った瞬間、トンボのWS再び。またもや全員100オーバーのダメージ。その場で全滅してしまった。去っていくワイトがクケケケケ、と笑っている気がして、本当に悔しかった。

宝箱も発見したのに!悔しい気持ちを引きずりながらHPへ帰還。時間も時間なので、その後はちょっとだけバタリアで失った経験値を取り返して、捜索隊は解散した。

夢にまでみた宝箱。発見したのに、取れなかった・・・・。今度は絶対開けてやる!!と固く心に決めて、今日のチョロ、ログアウト。




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